石見を知り尽くした地元民がこっそり教える、石見旅を120%楽しむ秘訣
もっと楽しく。もっとディープに。
石見国を旅するなら、観光ガイドに載っているお決まりのコースを巡るだけじゃつまらない。ここでしか見られないもの、ここでしか味わえないもの、などなど一挙にご紹介。これを読んでから旅すれば、石見国の奥深さにきっと貴方もハマるはず。
神様に奉納する舞である「神楽」は全国各地に存在するが、ここ石見国で伝承される石見神楽は一味違う。その豪華絢爛な衣裳、リズミカルな奏楽、激しい舞が観客のすぐ目の前で繰り広げられ、見るものを圧倒する。伝統芸能といえば年配の方に好まれそうに聞こえるが、石見神楽を演じるのは地元の若者が中心。彼らの石見神楽に対する情熱を感じつつ、神話の世界へと引き込まれるような体験をすることは、石見旅でももっとも外せないことのひとつだ。
365日24時間自然放牧される乳牛から搾る牛乳は、四季の移り変わりと共にその味わいも変化する。これまでの「牛乳」の概念を覆される、との声も。トロッとしたクリームがビン上部にたまる、ノンホモジナイズ製法。天気のよい日であればぜひ、その場で牛乳瓶片手に、もう片方の手は腰に、大自然のど真ん中で搾りたて牛乳を味わおう。牛乳本来の味わいをそのまま活かしたソフトクリームも大人気。
アパレルブランド「群言堂」を運営する石見銀山生活文化研究所所長の松場登美さんの築230年の自宅の古民家を宿泊できるように改装した「他郷阿部家」。ここでは昔ながらのかまど炊きご飯と地元食材満載の食事や、ロウソクの灯りだけで入浴するお風呂など、日本人が忘れかけていた美しい日本の暮らしを体験できる。総室数3部屋の人気宿なため、すぐに予約で埋まってしまうことも。空室を見つけたら迷わず予約しよう。
石見国の景色を彩る赤瓦の屋根は、この地方に古くから伝わる石州瓦である。石見の土と来待石の釉薬とが出会って生まれた、独特の味わい深い色合いと、瓦職人も認める抜群の耐久性が魅力。この石州瓦の赤と空の青、日本海の蒼の美しいコントラストを見ることのできる貴重なスポットが、波子町に存在する。夕日の沈むころを狙って訪れれば、さらに違った表情を見せてくれるだろう。
高津川の天然鮎と天然すっぽんの名店として知られる美加登家。初夏から晩秋にかけては、全国でも珍しい天然鮎づくしコースが味わえる。清流・高津川で獲れる鮎は、古くから美味しい鮎として知られており、全国の食通がこちらの鮎料理を求めて遠路はるばる訪れるほど。実は東京・新橋にある鮎料理の名店「鮎正」の姉妹店でもある。鮎好きな方が納得の、絶品鮎づくしをぜひ一度ご賞味あれ。
海岸沿いにそびえ立つ11基もの真っ白な風車。地元企業である中国ウィンドパワー社が設置・運営する風力発電設備は、青い空と海とのコントラストの美しさと、高さ80メートルという巨大さに圧倒される。この壮大な眺めの影に、地元企業が風力発電事業に参入するまでの長い道のりがあったという。肉眼では見えにくいが、風車の上部には石見神楽のキャラクターが描かれているところも憎い演出。
昭和レトロな雰囲気を今に残す有福温泉街でお土産を買うならここ。小さなよもぎ餅の中につぶあんがたっぷり。全国的によく見かけるタイプのお菓子に見えるが、よもぎ餅の絶妙なやわらかさと程よい甘さのあん、そしてこの一口サイズの大きさが相まって、思わず「うまい!」と声が出てしまう美味しさ。手作りのため大量生産できず、時間によっては完売になっていることも。見つけたら早めに購入しよう。
室町時代に人の手によって築かれた、約600年の歴史を持つ棚田。石をひとつひとつ丁寧に積み上げて作られたこの棚田では、現在も耕作が続いており、新緑の春から一面雪の白に覆われる冬まで、季節の移り変わりと共に様々な表情を見せてくれる。やや急な階段を登って展望台まで足を運べば、美しい棚田の風景が一望できる。日本の原風景とも呼べる美しい田舎の景観は、一見の価値あり。
世界遺産・石見銀山遺跡を散策するなら、徒歩もいいけどレンタサイクルを借りるのがおすすめ。大森の町は、ゆるやかな上り坂のため、自転車なら効率よく回れる。電動アシスト付もある。主要な観光スポットである「龍源寺間歩(坑道跡)」までの移動や、ほっと一息つきたい時の古民家カフェ巡りまで、町中をコンパクトかつ快適に移動できる。自然の風を頬に感じながら、レトロな町並みをじっくり堪能しよう。
中国地方最大の川・江の川を下る、人気のカヤック体験施設。経験豊富なガイドのレクチャーを受けられ、初心者でも安心して楽しめる。水面の高さから自然を眺めると、まるで自分が自然の一部に溶け込んだかのような錯覚を覚える。春は山桜、秋は紅葉と、四季折々の雄大な自然を眺めながらゆっくりと川を下れば気分爽快に。子どもから大人まで楽しめる、田舎ならではのアウトドアスポーツを満喫して。